「アイホンって、あのiPhone?」
そう思った方、実は“半分正解”です。
2025年7月の投資報告です。
今月新たに購入したのは、インターホン業界のトップ企業──アイホン(6718)。
高配当で、減配歴はあるけれど長期では増配傾向。業績も堅調で、インフラ系らしい安定感が魅力の銘柄です。
でも、私が一番惹かれたのは……
Appleが日本で「iPhone」という名前を使うために、アイホンから商標の使用許諾を得て、ライセンス料を支払っているという事実!
これはまさに、知的財産(IP)を活用した“企業の副収入”のようなもの。
そんな姿が、自分がこの株を持ってちょっとずつ配当を受け取る感覚と重なって、妙に親近感が湧いてきました。
今回は、そんな“ちょっとユニークで堅実な銘柄”アイホンについて、私が買った理由や魅力、そして投資スタイルとあわせて紹介します。
あわせて、IPで稼ぐサンリオや、逆にIPを借りて運営するオリエンタルランド(私の大好きなディズニー)とも比較しながら、企業の「稼ぎ方」にも注目してみました。
2025/7投資報告 仏壇のはせがわ買ってみた!葬儀のティアは伸びた!
5株購入!今月の投資報告「アイホン(6718)」
2025年7月、今月の投資先のひとつとして選んだのは──インターホン業界のトップ企業・アイホン(6718)。
購入時の株価は2,768円(2025/7/15終値)で、5株で13,840円の投資になりました。
私の投資スタイルは、基本はオルカン(全世界株式)をコアに積立しながら、
サテライト枠として高配当株を少しずつ買い足していくというものです。
最初にこの銘柄を見かけたときは、「iPhoneと名前が似てるな〜」くらいの印象でした。
最近では「AIphone」と聞くと、Appleが発表したAI搭載の次世代iPhone(Apple Intelligence)のことだと勘違いされるかもしれませんね(笑)。
でも調べてみると──
なんとこのアイホンこそが、「iPhone」の商標をAppleに“貸している”会社だったんです!
そこから一気に興味が湧いて、さらに調べるうちに…
- 国内インターホン市場でシェア約6割のトップ企業
- 高配当(予想利回り4.7%)
- 減配歴はあるけど、長期では増配傾向
- Appleからの商標ライセンス収入という副収入がある
などなど、地味だけど実力派、しかも話のネタにもなるという、私の“好きポイント”がぎっしり詰まっていました。
私にとって、銘柄選びで大切なのは利回りだけじゃありません。
「持っていて楽しいか」、これもかなり重要です。
その点で、アイホンはまさに、じわじわと面白さがにじみ出るような銘柄。
配当も魅力、エピソードも面白い──そんなバランスが、今回の購入の決め手でした。

減配はあるが、過去を見れば頼れる高配当株
アイホンの配当は、一時的な減配もありますが、長い目で見るとじわじわ伸びているのが魅力です。
ゆっくり育った配当の歴史
長期的な配当推移を見ると、1990年から始まった配当は以下のとおり:
- 1990年代:7.5円 → 15円へ、安定期への移行
- 2000年代前半:15円で推移、2007年には30円へ増配
- 2010年代前半:30円 → 32円へ微増
- 2019年:40円
- 2020年:51円
- 2021年:65円(ゆるやか増配)
- 2022年:91円(ドンと一段アップ)
- 2023年:80円(減配発生)
- 2024年:130円(大幅回復、1.6倍に)
- 2025年予想:130円(横ばい維持)
配当利回りと配当性向
- 現在の配当利回りは約4.7%(予想130円/株価2,768円)
- 2025年の配当性向は58.8%、利益の半分以上を株主に還元
- 過去10年平均の利回りは約2.9%。直近の4%以上は十分高水準
このように10年、20年というスパンで「育つ」配当株といえます!
インターホン業界の王者|地味だけど超インフラ企業
日常で普段意識することのない「インターホン」。
なくては困る設備のひとつですよね。
マンション、戸建て、オフィス、病院、介護施設──
インターホンは、私たちの生活のあらゆる場所で“あたりまえ”に使われています。
そんな市場で、アイホンは国内シェア約6割を誇るトップ企業。
実は、集合住宅向けインターホンではパナソニックを抑えてNo.1という実績を持っています。
インターホンって、買い替え需要も多くないし、派手な成長産業ではない。
でもその分、景気に左右されにくく、一定の需要が見込める分野でもあります。
特にアイホンが強みを持っているのが、次の2つ:
- マンション向け集合インターホンシステム
→ 大手ゼネコンやデベロッパーと長年の取引実績あり - ナースコールなど、医療・福祉施設向けシステム
→ 高齢化社会で今後も安定したニーズが見込める
また、近年ではインターホンとスマホ連携やクラウド化といった技術開発も進んでいて、
一見レガシーに見えるこの業界でも、地味にDXが進行中だったりします。
「特に目立たないけど、誰もが頼っている」
それが、アイホンという企業の本業の姿です。
このインフラ的な事業に、”高配当”かつ”増配傾向”。
そんな地味だけど着実な恩恵が受けられる銘柄が私のお気に入りです。
同じように、表に出にくいけど、じわじわ強い企業といえば──
先日買った仏壇の「はせがわ」も、ちょっと似ているかもしれません。
次章では、その“商標ライセンス収入”──Appleとの関係について、もう少し詳しく見ていきます。
Appleからの“副収入”──iPhone商標の裏側
アイホンと聞くと真っ先に頭に浮かぶのがAppleのiPhone。
一見インターホンのアイホンとスマホのiPhoneではまったく別物にも思えます。
しかし、実際に調べてみると、驚くべきことに──
Appleが“iPhone”という商標を日本で使うために、アイホンから正式に許諾を受けているという事実!

アイホンは「AIPHONE」という名前で、1954年から商標登録済みの老舗企業。
2007年、AppleがiPhoneを日本で発売する際に、商標の“発音”が類似することから、アイホン側に使用許可を求めたのだとか。
現在もAppleの公式サイトには、
「“iPhone”の商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。」

と明記されています。つまりこれは──
アイホンがAppleに「iPhoneという名前を使っていいよ」と認めた代わりに、商標使用料(ロイヤリティ)を得ているという構図。
しかもこのロイヤリティ、非公開ながら年1億円前後ではないかと推測する声もあります。
もちろん本業に比べればごくわずかな額ですが、「何もしなくても毎年入ってくる副収入」と考えると、なかなか面白いですよね。
そんなアイホンとAppleとの意外な関係を知ったとき、
「これは持ってるだけでネタになる株だな」と思いました。
そしてふと思いました。
アイホンにとっての“商標ライセンス収入”は、ちょっとした副収入。
これは私の大好きな配当金にも似ているなと。
5株だけだけど、持っていることで毎年ちょっとずつもらえる。
忘れたころに振り込まれて、「お、ありがたい」って思える。
企業にも、投資家にも、ちょっとした“副収入”があるって、なんかいいですよね。
IPビジネスで稼ぐ企業と比べてみた|サンリオ・オリエンタルランドとアイホンの立ち位置
Appleに商標を貸して“副収入”を得ているアイホン。
この話を調べていくうちに、ふと気づいたんです。
「あれ?これって“知的財産(IP)”で稼いでるってことだよね?」
そこから思い浮かんだのが、サンリオとオリエンタルランドという2社。
どちらも“IP”をめぐるビジネスを展開しているのですが、立ち位置はまったく逆です。
✅ サンリオ:自分のキャラを“貸して”稼ぐ
- ハローキティ、シナモロール、マイメロなど、強力なキャラクターIPを多数保有。
- 他社にライセンスを提供し、「使ってもらって、稼ぐ」ビジネスモデル。
- 収益の柱はキャラグッズの製造販売ではなく、使用許諾によるライセンス収入という点が特徴的。
✅ オリエンタルランド:ディズニーのキャラを“借りて”稼ぐ
- 東京ディズニーリゾートを運営しているのはオリエンタルランド(4661)ですが、
- 実際に使っているキャラクターや世界観はウォルト・ディズニー社のIP。
- つまり、「使わせてもらって、稼ぐ」ビジネスモデル。
- 売上に応じて、ディズニーへロイヤリティ(使用料)を支払う契約になっています。
✅ そしてアイホン:ちょっとだけ“IPを貸してる”企業
- サンリオのようにIPビジネスが本業ではないし、
- オリエンタルランドのようにIPを借りて展開しているわけでもない。
- でも、商標を貸してAppleからライセンス料を得ているという点で、
実は「IPをちょっとだけ持ってる企業」なんだなと気づきました。

3社を並べてみると、それぞれの“稼ぎ方”の違いが見えてきて面白い:
企業 | IPとの関係 | 稼ぎ方の特徴 |
サンリオ | IPを作って貸す | キャラ使用料で稼ぐ |
オリエンタルランド | IPを借りて使う | テーマパーク運営で稼ぐ |
アイホン | IPを持って少しだけ貸す | 商標使用料+本業で稼ぐ |
ちなみに、私はディズニー好きとしてオリエンタルランドにもコツコツ積立投資しています。
配当は少ないけど、「応援したいから持ってる」銘柄。
それに対してアイホンは、「実益もあって、ちょっとネタになる」銘柄。
どちらも好き。
でも、“IPをどう活かしてるか”という視点で見てみると、企業の個性がくっきり浮かび上がってくるのが面白いんですよね。
次章では、そんなユニークな“副収入”と、配当という“おこづかい”のような感覚が重なる、
私の「持っててうれしい株」=アイホンの魅力を、最後にもう一度まとめてみたいと思います。
まとめ
投資額は、たったの13,840円。
5株だけの少額投資です。
でも、そこから得られるものは意外と多くて──
- 予想利回り4.7%のしっかり配当
- インターホン業界で国内トップという堅実な本業
- Appleに商標を貸して得る副収入という知的財産(IP)の活用
- 持っているだけで話のネタになるユニークさ
“高配当”と“地味な安定感”、
そこに“ちょっとした面白さ”まで加わった銘柄。
それが、私の見つけたアイホン(6718)でした。
投資って、何十万、何百万とお金をかけることだけがすべてじゃない。
小さく持って、大きく楽しむ。
そんな銘柄に出会えると、ポートフォリオがちょっと豊かになります。
サンリオのようにキャラで稼ぐ企業も、
オリエンタルランドのように夢を売る企業も素敵だけど、
私はこういう「業界首位だけど、地味で、高配当で、ちょっと話のネタになる」
そんな銘柄がけっこう好きです。
このアイホンも、配当が振り込まれるたびに思い出すでしょう。
「そうだ、iPhoneの名前を貸してた企業だっけ」って。
そしてまた、“ちょっと面白くて、しっかり配当もくれる銘柄”を探しに行こうと思います。
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